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─ 言葉をたいせつにしたいすべての人に ─ 大人に贈る絵本 『 ことばのかたち 』 by lifesize

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ことばのかたち
誰にだって、言葉によって傷ついた経験があるものだ。

心無く放たれたそれで、ひどくショックを受けることも、声に発されることのないそれで、疑心暗鬼に陥ることもある。

例えば、1つの夢を胸に目標を掲げ、懸命に努力をする人に投げつけられる「へえ…夢なんかあるんだ」という冷たく灰色をした言葉。数人の会話の場にあって、言葉を発することがないものの、じとりとねめつける目線と、うすら笑いを浮かべたような口元。

 

そんな時、言葉は、鋭利な刃物であり、力任せに振り落とされるような、大きく重い鈍器の形をしている。
一方で、幸せに心満たされた時や、喜びを誰かと分かち合う時には、言葉は花のように豊かな色をして輝き、そのやわらかな花弁が、ふわりと風に揺れる様まで見えるかもしれない。

人と言葉は、切り離すことのできないものだ。
こうして言葉を綴ることで、届けたい思いを、はじめて表すことができる。
人とのコミュニケーションも、言葉なくしては成り立たない。
人を追い詰めるのも言葉なら、人を救うのも言葉。それに、ひとり何かを思うときにすら、その心には、様々な感情が言葉を伴って存在する。

言葉は、常に何かの色をして、何かの形をしている。それを見せてくれる絵本が、 『 ことばのかたち 』だ。

思いもよらない言葉が、針の形をして、相手につきささるのが見えたら、それによって血のにじんだ傷口まで見えるとしたら、言葉の使い方は変わるのだろうか。でもそれが、ただ傷つけるだけのものではなくだいじな忠告であったなら、見分けがつくだろか。
自分を立派に見せるための言葉は、すぐに光を失い、砂のように枯れるのを見るかもしれない。
人をひれ伏させる魅力的でつよい言葉は、もしかすると戦車のような形をしているかもしれない。
もしも言葉が目に見えたら ─ 、と、様々な言葉の色と形を、淡々と綴っていく。

一人ひとりが、言葉をたいせつに使う社会であるなら、今よりも笑顔が多く、涙の少ない時代になるかもしれないと、そう思うのは、作者だけではないと思うんだけれど、あなたはどう思う?

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